製造業にとっての「2009年」

昨日受講した雇用関係助成金セミナーで、「派遣労働者雇用安定化特別奨励金」が取り上げられていました。その創設趣旨は、次のように書かれています。 

 

いわゆる「2009年問題」として、派遣先においては雇用の需要があるにもかかわらず、直接雇用が困難なため、派遣期間が満了することを契機に派遣労働者の解雇・雇止が行われ、派遣労働者の雇用が失われるおそれがあります。

このため、派遣期間が満了するまでに、派遣先である事業主が派遣労働者を直接雇用した場合に奨励金を支給することにより 、 派遣労働者の雇用への影響を軽減し、雇用の安定に資することを目的として、平成21年2月6日より「派遣労働者雇用安定化特別奨励金」が創設・施行されました。

( ハローワーク事業主支援センター パンフレット 派遣労働者雇用安定化特別奨励金 支給申請について より )

 

今回は、製造業の派遣に関して、「2009年」とはどういう年か?について、気になるトコロをまとめてみます。

(派遣労働者雇用安定化特別奨励金については、こちらで概要をご確認の上、お近くのハローワーク等へお問い合わせください。)

 

【 製造業派遣の2009年 】

物の製造業務に係る労働者派遣については平成16年(2004年)3月に労働者派遣が解禁されました(ただし、同一業務について、期間は1年)。その後、平成19年(2007年)3月1日より最長3年の派遣期間が認められるようになったのですが、平成18年(2006年)から労働者派遣を受け入れていた企業については平成21年(2009年)に派遣期間が満了になります。

 

派遣期間が満了になった業務では、原則、もうそれ以上派遣を受け入れることができません。ちなみに、3ヶ月のクーリング期間をあければ、その同一業務に派遣を受け入れるコトが可能になる・・・という考え方は、労働者派遣法の趣旨に反するという通達が出ています。

 

この、派遣を受け入れるコトが出来なくなったタイミングで、都合よく当該業務がなくる・・・ってコトは通常ないでしょうから、結局、次のいずれかの方法を取る必要があります。

 

  1. その業務に、指揮命令が必要な場合は「直接雇用」
  2. その業務に、指揮命令が必要でなければ「請負」

 

上記の方法のうち、そもそも「請負」というカタチで対応できるなら、一般的には、最初から「派遣」という方法はとっていないモノと思われます。これをムリヤリ「請負」というカタチで対応すれば、偽装請負となる可能性が高くなるかも知れません。

 

また、直接雇用をする場合には、雇止の際に注意が必要になります(有期労働契約の締結、更新 及び 雇止めに関する基準について参照)。奨励金の設立趣旨にある“会社にとって「直接雇用」が困難な事情”というのは、このアタリのコトも関係していると思われます。

 

製造業の労働者派遣に対する規制が緩和されたコトをキッカケに、それまで請負で契約していた労働者を派遣契約に切り替えた所は相当多かったようです(実質、偽装請負の状態が多かったというコトになるかも知れません・・(^^;・・)。しかし、結果として問題を先送りにしたダケのように見えます。

 

会社は「派遣」等の非正規雇用を行おうとする場合、慎重に業務内容や期間等について検討しなければなりません。人を雇うという事は、その人の人生に多大な影響を及ぼすわけですから、それぐらいの慎重さはアタリマエだと思います。しかし、製造業の現場はドンドンと海外にシフトする中、リーマンショックなど思いもよらないコトが原因で業績が大きく変動するコトがあったりと、将来の予測が非常に立てにくいという現状も問題だと思います。

 

以上、製造業派遣にとって2009年とはどういう年か、気になるトコロについてまとめてみました。

 

なお、派遣労働者雇用安定化特別奨励金の設立趣旨にある「2009年問題」は主に製造業の派遣に関する問題ですが、奨励金自体は製造業の派遣のみを対象としたものではありません。派遣労働者を直接雇用するケースは他にもあります。派遣については、とても複雑な規定が多いので、機会があれば、また書いてみます。

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