労働者の義務はどこに!?(有給休暇編 前篇)

 「時代の流れ」「価値観の相違」・・・っていってしまえば、そうなのかも知れませんが、「最近の従業員は非常識だ!!」と怒っている経営者の声をよく聴きます。
さらには、「監督署は会社ばかり指導するけど、なぜ、非常識な労働者は指導しないんだ!!不公平じゃないか!!」と、憤慨している経営者もいます。

 ひとつの例として、労働基準法の規定を見てみましょう。有給休暇の例です。
 労働者には「時季指定権(いつ休むか指定する権利)」があり、使用者には「時季変更権(労働者が指定した時季を変更する権利)」があります。

 権利を行使するためには、労使それぞれ要件を満たさなければなりません。労働者の要件は、「継続6か月勤務、出勤率8割」を満たすこと。経営者の要件は、「事業の正常な運営を妨げる場合」です。

 では、「権利を行使した後」について、労働基準法は、どのように定めているのでしょうか?

 わかりやすく、図にしてみました。

労働基準法 第39条有給休暇について1

 労働基準法 第39条は、とっても長い条文ですが、労働者と使用者の権利と義務をピックアップしてみました。

 労働者の権利(時季指定権)について、使用者には「与えなければならない」という義務があります。「与えなければならない」のだから、与えなければなりません。「指定したければ指定すればいいよ。どうぞ、ご自由に。でも、与えないからね!」なんていうコトはできません。

 では、使用者の権利(時季変更権)については、どうでしょうか? 労働基準法 第39条には、労働者に対して「使用者の時季変更権に対応する義務」は見当たらないようです。

 「○○することができる」という権利があったとしても、必ず相手に○○に対する義務があるとは限りません。義務がなければ、断ることだって可能かも知れません。

 もし、従業員のなかに、とっても理屈っぽい人がいて、次のように言ったらどう思いますか?
 「わかりました。時季変更権を行使するのですね。それは認めざるを得ないでしょう。しかし、労働基準法 第39条には「時季変更権に対応する義務」の規定はありません。法律に義務が規定されてないので、行使された結果を受け入れるか受け入れないかは、労働者の自由意志に任せられているという理解で良いですね? ちなみに、私が行使した「時季指定権」の方については、会社の義務が規定されているので、かならず守ってくださいね。」

 セリフ回しが上から目線・・・っていうのはおいといて(^-^;、この従業員の「理解」は正しいのでしょうか?

 ながくなったので、続きは次回に書こうと思います。考えるヒントは、「労働基準法 第39条だけじゃない」・・・です。

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